『SCSFTプロジェクト』vol.20の続きです。

常磐松小学校4年生のクラスで2回目の授業を行いました。

昨年実施した1回目の授業では、
どれだけの洋服が捨てられているのかを考えてもらった後、
なんでSCSFTプロジェクトをはじめたのか、
それがどうやって『卒業証書プロジェクト』に発展したのかを紹介しました。

詳しくは↓のレポートをご覧ください。
『SCSFTプロジェクト』vol.17

今回、4年生のみんなに会うのは2回目。

廊下で子ども達とすれ違うと
「あ、Saayaさんだ!」とすぐに気が付いて、
推しに会えたかのように喜んでくれました。

授業の準備中は、廊下で待っていてもらったのですが、
「入っていい?」「まだ?」「足は入っていないよー」と
体をのり出してはしゃいでいる様子がまたかわいいこと。
「何やるんだろう?」と興味津々な様子で覗いてくれていました。

今回の授業はSaayaだけでなく、
一緒にプロジェクト進めているYuiさんも一緒に盛り上げてくれます。

自己紹介をした後は、
年末に実際に工場に行き、紙を作ってきたことを報告。

渋谷で集めた棉100%の白い布を紙にしてくださったのは、
透明度の高い仁淀川の近くにある土佐和紙工場の㈱モリシカさん。


ドロドロっとしたコットンが渋谷ペーパーになっていく工程を
写真や動画を使って、子どもたちに分かりやすく伝えていきます。

「メカメカしいねー」
「工場の中は、すごい音がうるさいの。
隣にいても叫ばないと会話できないくらい」

まずは、小さく切った布をすりつぶして水に溶かす工程から。
「すりつぶされるの、痛そう!」
「ねちょねちょ。ねばねば」
「水の中に見えるもやもやしたものが、繊維の糸の一本一本だよ」
「工場の中、水浸しだね」


どろどろの水がパイプの中を通って移動し、
網の上にのることで水きりをし、
ドライヤーで乾かして、紙になります。

「出来立てほやほやは80度くらいあるんだよ」
「お風呂よりあついんだね」

「筒に撒かれているのが紙。切る前はこんなに大きいの。
バームクーヘンとかレッドカーペットみたいなイメージ。
分かるかな?」

「では、ここで質問です。
工場の外と中ではどちらの方が温かいでしょう?」
「工場の中の人が厚着していたからきっと中は寒いんだと思う」
「熱いドライヤーがあるから中かな」
「正解は、太陽の光がある外。
工場の中は日が当たらないからとっても寒かった。
12月でも外はぽかぽかでコートなしで過ごして、
工場に入る時にコートを羽織って入っていたんだ。
なんか変だよね」

説明の後は、布が紙に変わる工程を体験していきます。
まだ布を溶かしはじめたばかりのものから溶かす工程が完成したものまで、
全部で4つの違いを手で触って確認していきます。

見ただけでは同じように見えますが、
手で触ると違いがはっきりと分かります。


最初は、恐る恐るバケツに手を入れていた子ども達も
最後の方は、溶けた布を手に取って丸めてみたり、ちぎってみたり。

「繊維が分かる!」
「こっちの方がふわふわだね」
「完成品のバケツには、常盤松小で集めた服がはいっているよ」

水分を多く含む分、完成品の方が柔らかくなるのですね。



水に溶けた布を触る体験をした後は、
実際に完成した渋谷ペーパーと普通のコピー用紙の違いを見ていきます。

「全然違う!」
「なんか糸みたいのが混ざってる」
「つるつるした面とざらざらした面がある」
「あ、繊維がとれた!」
「分厚いね」
「透かすときれい!」

白い紙に、赤や青などの細かい繊維が混ざっているのもこの渋谷ペーパーならでは。
高級感と味わいのある和紙に仕上がっています。

さて、この紙を使って何をつくろうか?
みんなのアイデアを採用し、
まずは、A5サイズの紙でクラス作品として日めくりカレンダーを作ることに。

常盤松小学校の4年生は15名の1クラスのみなので、
卒業までクラス替えがなく、このメンバーで過ごすことになります。
卒業までずっとクラスで使えるように、
今回は一人2枚のカレンダーを思い思いに作っていきます。




日浦先生率いる4年生はとても創造力がゆたか。
頭の中にアイデアがいくつも浮かんでいるようで、
紙を配ったとたんに制作がはじまりました。

みんなとても仲が良くてお互いを認め合っているからこそ、
個性を爆発させられるのですね。




時間が残ったお友達は、A4サイズの渋谷ペーパー使って、
好きな作品を作っていきます。

メモ帳を作ったり、しおりを作ったり、
自由に絵を描いてみたりと、楽しんでいました。

実際に渋谷ペーパーを使ってみた子どもたちは、いろんなことに気づいてくれました。

「普通の紙よりも描きやすい!」
「消しゴムは優しくかけないとケバケバする」
「消すと跡が残るから、一発描きしなくちゃ」

今回の授業で余った渋谷ペーパーは、学校に寄付します。
A4サイズの方は学校として賞状や成績表などに使ってくださるとのこと。
A5サイズの方は4年生のクラスで活用してくださるとのこと。
どんな作品に変身するのか楽しみですね。

最後に一言。
「みんなも自分の好きなことに取り組んで欲しい!」
とのメッセージを伝えた際には、
学校公開日にいらしていた保護者の皆様からも感動の声が漏れていました。

常盤松小学校での今年度のコラボはこれで一旦終わりになります。

常盤松小学校4年生のみんな、
担任の日浦先生をはじめとする先生方、
渋谷区教育委員会の柳田様、
改めてありがとうございました!

卒業証書プロジェクトは来年度も続きますので、
どのような形で今後ご一緒させていただくかは、また相談して進めていく予定です。

さて、授業が終わってから、
Saayaから、今回の授業に関わった大人それぞれに感想とお礼のメールが届きました。
素晴らしい文面なので一部ご紹介させていただきます。

「最初どのような結果になるのか心配でしたが、
子どもたちが本当に発想力豊かで、
どんどんカレンダーを描いているのを見て私も楽しかったです。

渋谷ペーパーは、金曜日の夕方に高知から届き、初めて使うのが常磐松小学校でした。
授業をしてみて、『初めて使うのが常磐松小学校でよかった!』と思いました。
今回の授業が、4年生のみんなにとって
何か少しでも成長につながってくれたらいいなと思います。」

「日浦先生、授業の用意など色々とありがとうございました。
計3時間でしたが、本当に仲が良くて素敵なクラスだなと思いました。
私にとっても貴重な経験となりました。ありがとうございます。
また、4年生のみんなもすごく個性が強いなと感じました。
それぞれの自分の好きなことを誰かに邪魔されたりせず、
思いっきりやってほしいなと思いました。
今年度の授業はこれで終わりかと思いますが、また機会があればぜひやらせてください。」

中学生で既にこのようなお礼状がすらすらっと書けちゃう
Saayaの応援を引き続きお願いします!

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