『SCSFTプロジェクト』vol.8の続きです。

10月に代官山駅前にOPENしたフォレストゲート代官山。

フォレストゲート代官山は、
居住スペースや商業施設などが入っているMAIN棟と
サステナブル活動拠点として様々な体験を提供するTENOHA棟の
2つの建物で構成される複合施設です。

ここの再開発責任者の東急不動産㈱の小澤様より、
環境活動家のSCSFTプロジェクトリーダーに
是非TENOHA棟の担当者を紹介するとともに中を案内したいとお申し出いただき、
今回のTENOHA代官山視察が実現しました。

小澤様いつもありがとうございます!

大人っぽくなった中学1年生のSCSFTプロジェクトリーダーと挨拶をすませると、
渡したいものがあるとのこと。
出来立てほやほやの名刺をいただいちゃいました。

名刺は、ご両親からの入学祝。

「両親は、日ごろから必要な情報は全てくれるし、
行きたいところには連れて行ってくれる。
両親のおかげで今の自分がある。本当に感謝している!」

彼女は、さらっとそんな感謝の言葉を言えるお嬢様です。

せっかく自分の名刺を作るなら納得したものにしたい!
キャッチフレーズは「今、未来をShiftする」。
ここはかなり悩んでこだわって考えたとのこと。

デザインはSKAPのロゴも作っていただいた生駒様に依頼。
ロゴはSCSFTのアルファベットを組み合わせて出来ています。
色も素敵ですね。

そして、もう一つのこだわりポイントは紙。
繊維のゴミを50%配合したサーキュラーコットンペーパー(CCP)を使用しています。
先日CCPフォーラムに登壇したご縁です。

名刺の裏にはQRコードが。
SCSFTプロジェクトのHPを自作していて、
今後はここに実施したことを自分で言葉にして紹介していく予定とのこと。
今回のTENOHA代官山視察の様子も後日掲載されると思いますので、
皆様も是非アクサスしてみてくださいね。
https://scsft.my.canva.site/

前置きが長くなりましたが、ここからがTENOHA代官山の視察です。
案内してくださった東急不動産の小澤様とRGBの安井様、ありがとうございました!
楽しすぎて2時間も話しこんでいたので、皆様にお伝えしたいこともたくさんです。
少し長くなりますが、お付き合いください。

TENOHA代官山はCIRTYと呼ばれる
サーキュラーエコノミーを意識して作った施設。
居心地の良いついつい長居してしまうおしゃれな空間です。

wifiと電源完備。ワンちゃん連れ大歓迎。
じっくりお仕事をする方、打ち合わせする方、
お散歩のついでに立ち寄る方、
おしゃれさにひかれて入ってくる方など、
いろんな方が楽しめる工夫がされています。


建物自体が再利用可能になっているのが一つ目の特徴。
自然界のハニカム構造にヒントを得て、
同じ規格の木材を六角形状にブロックを組み立てるようにできています。
なので、将来壊すことになったときには、
一つずつ外して、形を変えて、別の場所に移築することも可能。

この規模の施設が木造建築ということはとても珍しいそうです。
素材は、岡山県西粟倉村の間伐材のヒノキと杉。

ヒノキは柱に、杉は壁に使われていますが、
直前までどちらが届くのかわからない。

手にしてからはじめてその素材の特徴などを考えて建物を設計したそうです。
先に設計図を決めてそれに合った材料を探すのではなく、
逆に、その時に手に入った素材に合わせて設計する。
その発想が素敵ですね。


よく見ると階段の柵やカウンターの壁に使われている木材は
全て違う色で、節や割れ目があるものも。
これがかえっておしゃれでいい味を出しています。

これらは廃屋やいらなくなった家具に使われていた木材をレスキューしている
長野県のReBuilding Center JAPAN(リビセン)の
木材を使用していると教えていただきました。

六角形の椅子やテーブルも全て移動可能。
使用する目的に合わせて、自由自在に組み替えることができます。
視察に伺った日も、カフェ営業終了後に、地域の会議があるとのことで、
当たり前のように椅子や机を移動させていました。

クッションは分厚いフェルトのような触り心地。
不要になった洋服などの繊維などから作られているのかな。

植木鉢もおしゃれ。
一見、石でできた重たいものに見えるけれど、
実際は廃材でできたとっても軽い素材なので、
これまた簡単に移動できます。


食についてもこだわり抜いています。

今回の打ち合わせでいただいたのは、
フレッシュレモンやハーブのソーダ。
ストローは紙かとおもいきや、なんと竹。
エディブルフラワーも入っていて見た目もかわいいし、
何よりもおいしい!

これが実はとっても大切なこと。

まずは、「おしゃれ」「おいしい」などから
気軽に興味を持ってもらうのが狙い。

サステナブルな取り組みというと、なんだか我慢したり、
ちょっと大変だったりするイメージがあるけれど、
それだと「やるぞ!」と意気込んでも長続きしない。

なので、「おいしいから食べたい」、
「おしゃれだからSNSに投稿したい」というくらい気軽に
日常に入り込むことを意識しているとのこと。

案内してくださった安井様おすすめのアイスも
もちろんすべてプラントベースで、
ビーガンの方も召し上がれるように
牛乳の代わりに豆乳を使用。
合成着色料は使わず、食べ物の色味で着色しているとのこと。
そして何よりも、とってもおいしいそうです。

ここのカフェで提供している食べ物には、
屋上菜園や屋内の植物工場で栽培した
取れたてのハーブやお野菜が使用されています。

ではそれらの植物を育てる光と土と水はどうしているのか。

ちょっと難しい話になりますが、
食品廃棄物のリサイクル率を調べると、
外食産業や食品小売業ででる食べ残しなどのゴミには、
プラスチック包装や楊枝などの異物が混ざっていて、
動物のえさや肥料にするには不向きなため、
焼却処理せざるを得ないという現状があります。

それを解決する画期的な技術を持つのがJバイオフードリサイクル。
この技術を使うと、プラ容器などの異物が混ざっている
食品廃棄物をそのまま発酵させることができ、
その過程ででるガスは再エネ電気に、
発酵させたものは肥料として使えるとのこと。

TENOHA代官山では、Jバイオフードリサイクルの技術によって
横浜の工場で食品廃棄物から生まれ変わらせた電気と土を使用しています。

ちなみに屋上は、段々畑のような形状にすることで、
一番高いところの水が順に下に流れるようになっており、
最後はまた上に戻るよう雨水も循環させて使っているそうです。

店頭で販売しているおしゃれ雑貨などもちょこっとご紹介。

まず、お花は全てロスフラワー。
近くの花市場で規格外という理由ではじかれたものや、剪定の際に出た草木。
生花として販売して、売れ残ったものはドライフラワーにしているそうです。
「ドライにすると、花のアレルギー持った人も楽しめますね。」

ガラス花瓶も実はリサイクルしたもの。
使えなくなった蛍光灯や割れたガラスなどを溶かして作っています。
「ガラスって本当にエコですね」
カフェで使用しているハーブウォーター用のカップもその一つです。

テノハ棟からメイン棟に抜ける通路にある
CIRTY BIOSK by Totoyaについてもご紹介いただきました。

BIOSKはオーガニックという意味のBIO、
そして駅などにある小売店のKIOSKを組み合わせた造語で、
代官山店は本店の京都とはまた異なり、
都会のライフスタイルに合わせた形で出店しているそうです。

特徴は無農薬・減農薬の食材を量り売りで販売してくれること。
生みたてたまごも1つから購入可能です。

オーガニックには興味があるけれど、
あまり時間がないという忙しい都会のニーズに合わせて、
あらかじめリターナブルな瓶に詰めたものも販売しています。
容器は返却可能でデポジット制なので、捨てずに次回持って来て下さいね。
手持ちの容器にも詰めてくれますよ!

自宅にある卵の紙パックや紙袋なども
持っていくと活用してくださるそうです。

BIOSKというとなんだかおしゃれな新しい取り組みにように聞こえるけれど、
実は昔はみんなこれが当たり前だったそうです。
「お豆腐屋さんに桶持って買いに行っていたのと同じですよね。」

最後は、2階にも上がらせていただきました。
ベランダに出ると目の前に代官山駅が見えます。
この木材の香りのする癒しの空間は、駅前の一等地にあるんでしたね。

2階は将来的にはいろんな本を置いたLIBRARYにしたいとのことで、
今はTENOHA代官山の実現に携わった方々のお勧めの本が置いてあり、
自由に読むことができます。
「この絵本家にある!」「これ読みたかった本だ。読みに来よう!」

ここまで、岡山、長野、横浜など
いろんな地名が出てきたのにお気づきでしょうか。
ご紹介したのはほんの一握りだけ。

この施設には、日本中のいろんな場所の
いろんな得意分野を持った方たちの技術と想いが集結しています。

TENOHA代官山の心地良くおしゃれで楽しい空間に訪れた人が、
その想いに気づいて発信することは、
日本中のサステナブルな活動をしている人を応援することに繋がるのかもしれません。

まずは、TENOHA代官山に遊びに行って、
お店の方との会話のキャッチボールを楽しんでもらい、
裏で支えている日本中の方々に想いを馳せてもらえたら嬉しいです。

SCSFTプロジェクトとしては、
TENOHA代官山にてコンポストワークショップを企画したいと、
視察ついでにプレゼンしてきました。

自宅で実験してみたところ、おもしろいくらい簡単に生ごみが土に還ったので、
是非その良さを地域の方にも実感してもらいたい。
そして、ワークショップを通してサステナブルな活動に意識を向けて欲しいとのこと。

若い活動家が頑張っていると応援したくなりますよね。
がんばれ!

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